琺瑯のこと

ほうろう(琺瑯)について

ほうろう(琺瑯)は、金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けた素材です。

強いけれどサビやすい鉄と、美しいけれどもろいガラスを結合させ、

強くて美しい両者の長所を活かした複合材料と言えます。

その歴史は、紀元前1300年頃につくられた古代エジプト・ツタンカーメン王の黄金マスクが最初期のものといわれ

この時代のほうろうは、現在一般的に使われている鉄ほうろうとは異なり、

金・銀の金属にガラスを加工したもので、いわゆる金細工工芸に類似した一種の七宝でした。

日本での実用品化は明治時代とされています。


ほうろう(琺瑯)の長所

耐熱性・冷却性

金属の素地をガラス質で覆っている為、熱伝導が良く、お湯沸かしや料理に活用できます。冷却性も高いので保存に適しています。

耐食・耐酸

ほうろうは、酸、塩分に強い耐久性を持っています。
その為、貯蔵や醸造用に容器が使われることが多く、耐薬品性に優れている為、化学薬品などの製造時にも使われます。

美しい色合い

ガラス質に着色ができるので、美しい色合いと光沢を楽しめます。
焼き付けているので、変色することもありません。

非吸着

ほうろうの表面はガラスなので、非吸着性に優れています。
ガラス質は内容物と化学反応を起こすことがありません。
硬度が高く、汚れやにおいがつきにくい為、雑菌が繁殖しにくく清潔に保てます。
洗いやすくお手入れがしやすいのも特徴です。

安全性

鉄とガラスで出来ており、有害なものは含まれていない為、安心してお使いいただけます。


ほうろう(琺瑯)の短所

衝撃・落下に弱い

表面がガラス質なので、衝撃や落下がありますと欠けや割れが生じます。

サビ

工程上、全てをガラス質で覆いきれない為、水分や塩分等で鉄サビが生じる可能性があります。
鉄サビですのでご安心いただけますが、お手入れにより防ぐ事も可能です。